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管理栄養士の赤田です

栄養士・サプリメントアドバイザーコラム

今年の4月より管理栄養士として勤務しております赤田みゆきと申します。
私は管理栄養士としていろんな現場で仕事をしてまいりました。
その時に感じたのは、健康な体を作るためには食事の内容を見直すとともに「運動で体を動かす」ということがとても大切だということです。
今回、食事だけではなく運動指導も含めた話をする機会を頂くことができましたので、皆様と一緒に考えていきたいと思っております。

「運動」と聞くと、何か新たにジョギングなどを始めなければいけないと思いがちですが、それだけが運動ではありません。例えば、いつも車で行っていた買い物を自転車に変える、通勤時に歩く時間を増やす、などちょっとした工夫を加えるだけで立派な運動になります
私はスポーツのプロを目指す学生達が通う専門学校でスポーツ栄養学を教えていることもあり、運動が体にもたらす良い影響を身にもって体験しています。
運動を難しく考えないで、自分にとってどの位の強度の運動をどの位の時間行えばいいのか、または生活の中でどのように工夫をすれば運動量が増えるのか、一緒に考えてみませんか? 
無理なく健康な体を目指していきましょう!

日常生活のなかの運動について

栄養士・サプリメントアドバイザーコラム

前回自己紹介をさせていただいた管理栄養士の赤田です。
普段は専門学校でスポーツ栄養学を教えている私ですが、健康・栄養・運動はどれもリンクしており
欠かすことができないと改めて感じています。
そこで、今日は私が専門にしている運動について考えてみたいと思います。

 

運動が健康の維持、増進にとても良いことは皆さんもご承知のことと思います。
では、いったいどのような運動をどの位の時間行えば健康に良いのでしょう? 実は、最近までそれはあやふやな状態ではっきりとしたことはわかってはいませんでした。
しかし、厚生労働省は平成18年に糖尿病など運動不足が要因で発症しやすい生活習慣病を防ごうと、日常生活に運動を取り入れる目安となる「エクササイズガイド2006」を発表しました。
これは健康維持のためにどのような運動をどれだけ行えば良いのかを詳しく知ることができるものです。

エクササイズを簡単に説明しますと、ウオーキングなどの運動から日常での買い物や掃除などの活動
まで、運動をメニューにして組み合わせどんな運動をどれだけ行えば1週間に必要な運動量を達成できるかがわかるようになっています。 目標としては1週間で合計23エクササイズ以上を目標とします。
エクササイズとは運動の量を表す指標(単位)で、例えば歩行20分、子供と遊ぶ15分などが1エクササイズにあたります。

それでは1週間の運動メニューの例をみてみましょう
  ・バスを使わず駅から自宅まで徒歩 (片道20分×5日=10エクササイズ)
  ・昼休みの散歩(20分×3日=3エクササイズ)
  ・水泳(40分×2日=8エクササイズ)
  ・日曜日に子供と遊ぶ(30分=2エクササイズ)
以上を1週間の合計23エクササイズになるといった具合です。
このように運動をするだけではなく、日常生活の活動もエクササイズと考え運動とみなすことができるのです。
ぜひ、この機会に自分の1日の生活が何エクササイズ満たしているのか調べてみてはいかがでしょうか。

※院長コラム「エクササイズとニート」も参考に!

糖尿病の方、炭水化物に注目して食事をしてみませんか? No.1

栄養士・サプリメントアドバイザーコラム

みなさん、糖尿病食という言葉はよく耳にされるのではないでしょうか? それと一緒に食品交換表という
言葉も・・・
この糖尿病食とは、「エネルギーが高い食事=血糖値が上がる」という考えのもとに 「エネルギーを適正に保ち、栄養バランスを整える」という食品交換表を用いた食事療法です。 簡単に言えば、エネルギーに重点をおいた食事療法です。
これは栄養士からみてもよく練られた食事のあり方、方法で、 理解すればどのような食事療法にもアレンジできる優れものです。 実践そして継続できれば、究極の健康維持食と言えるでしょう。 病気のない方にもお薦めしたい食事のあり方です。

 

けれど糖尿病を患われている方の中には、
「食後血糖がいまいち安定しない・・・」
「もう少し好きな物を堂々と食べたい・・・」
「糖尿病食の食品交換表をマスターするのが億劫・・・」
という方がおられるでしょう。
そのような方は、
「食後血糖に重点をおいた食事をとりいれてみるのはいかがでしょう?」 と提案したいと思います。

食後血糖に大きく影響を与えるのが栄養素の1つの炭水化物(糖質)です。 (食物繊維の少ない食品は炭水化物=糖質ととらえて構いません。)
ということは炭水化物に注目することでもあります。 この炭水化物に注目することで良いことが3つあります。 1つ目は、この炭水化物の量を調整することで、食後血糖の急激な上昇を効率よく調整できます。
2つ目は、食後血糖を調整できれば、糖尿病という病気全体の調整にも有効に働きます。
3つ目は、炭水化物に注目し、重点をおくということは、自動的に全体のエネルギーコントロールは 2番目でよいということです。(全然考える必要がないのではありません。)
つまり食品交換表を用いた食事では、躊躇しがちな食品、料理(脂質(油)が多いために カロリーが高くなる)を上手く取り入れることができるのです。

~続く

「血糖が下がりすぎたらどうすればよいのですか?」

 

低血糖になった時にどうすればよいかという実践的な話を最後にしたいと思います。
これについてもシンプルに考えることが大切と思います。
15という数字を覚えてください。皆さんは低血糖に診断についてはもう大丈夫ですね?
低血糖の症状を思い出してください。低血糖に気付くのにじゃまになる状況を考えましょう。
血糖を測定できるなら測ってください。血糖70mg以下が低血糖です。
まず炭水化物15グラムをとってください。表に炭水化物15グラムを含むジュースなどの例を示しました。

※一般の缶コーヒー(190ml)は、100ml中に炭水化物が約6~7g含まれますが、低血糖時の補食として必要な炭水化物量(15~20g)を補うには少し足りません。
1缶200ml以上の製品を選ぶか、普通のコーヒーよりもカフェオレなどミルクが多いものを選ぶようにしましょう。 もちろん微糖のものも使えません。


大切なのはあれでもよいこれでもよいと考えないことです。自分が低血糖の時はこれを使うと決めて下さい。
缶コーヒー一缶にすると決めたら自宅の決まった場所に常備しましょう。外出の時は必ず携帯しましょう(缶コーヒーは持ち運びにくいですが、多くの会社がたくさんの商品を出しています。
例えば‘マイコーヒー’ を決める前に成分表示で炭水化物量を確認して下さい。)
炭水化物の中でブドウ糖15グラムが速やかに血糖をあげるのでもっとも適しています。
しかしブドウ糖は必ずしも手に入りやすいわけではありません。診療所や調剤薬局では無料で手に入りますので相談して下さい。

αGIという、食事に含まれる炭水化物がブドウ糖に消化されるのを抑え、食後の血糖上昇をゆるやかにする薬があります。
このグループのお薬を飲んでおられる方は必ずブドウ糖を使って下さい。理由は分かりますね?
最初に低血糖の対策はシンプルがいいと言いましたが、αGIの登場で(ずいぶん前ですが)低血糖の治療が二本立て(砂糖などで良い人とブドウ糖が必要な人)になったので注意して下さい。

さて15という数字です。
治療をして15分後に低血糖から回復しているかどうか確認して下さい。そうでなかったら同じことを繰り返して下さい。(15グラムの炭水化物をとって15分後に確認
そして普段通りの食事をとって下さい。
この機会に自分の低血糖対策をふりかえっていただきたいと思います。

「血糖認識トレーニング(BGAT)のエッセンス‐情報は力なり」

 

今回は外部血糖キューです。それは何が血糖を変化させるかに関する情報のことです。3つあります。

1)インスリンと時間;
注射しているインスリンがもっとも血糖に影響します。その影響を知るツールがインスリンカーブです。
それは使っているインスリンの種類、量や注射時間から推定するインスリン効果(どの時間にもっとも効いていてどの時間に効果がなくなっているか)を示すカーブです。
BGATでは個別に作成できるよう訓練されます。そのために必要な情報はインスリンの作用開始時間、最大作用時間、作用持続時間などです。
具体例を示します。
図に速効型インスリンを午前7時と午後6時にそれぞれ5単位と4単位、および中間型インスリンを午前7時と午後11時にそれぞれ25単位と4単位注射している方のインスリンカーブを示したものです。

実線で正味のインスリンの効果の強さを示しています。
正午から午後5時まで午後8時頃にインスリンがもっとも良く効いていることがわかります。
この時にもっとも血糖が下がりやすいことが予想できます。逆に深夜にはインスリン効果がないことがわかります。
このカーブの作成法を知ることは私にとっては目からうろこが落ちる思いでした。
皆様はいろいろな種類のインスリンの作用開始時間や持続時間を示す、これとちょうど鏡面関係にある図になじみがあるかもしれません。私たちはそれを使ってインスリン効果を説明していました。
しかし、このインスリンカーブの方がどの時間に血糖がどうなるかわかりやすいと思いませんか?
今インスリン治療に際してこのインスリンカーブを用いた説明がもっと必要であると考えています。

  2)食事;
このキューがもっとも分かりやすいかもしれません。
食事をすればもちろん血糖が上がります。それではどのような食事でどれくらい血糖が上がるのでしょうか?
ここでカーボカウントを思い出してください。その目的の一つは食後血糖をコントロールすることでした。
それは裏返して言うと血糖、特に食後血糖の予測の武器になるということです。
食後血糖を決めるのは食事の炭水化物量です。Coxらのテキストによると1グラムの炭水化物は血糖を平均3mg/dl上昇させるとなっています。
今ここにコンビニで買ったおにぎりが一個あります。成分表示によると炭水化物量は36グラムですので血糖を約100mg/dlあげることになります。

3)身体活動;
3つ目のキューです。
運動は血糖を下げる方向に働きます。ただ運動により血糖が上がる場合もあるので注意が必要です。
このことは自身のインスリンを作る力が落ちている方が高血糖の時に強い運動をした場合に当てはまります。

二回にわたり血糖認識トレーニング(BGAT)の内容をまとめました。
少しむつかしかったですね。しかし、BGATのすべてを実践する必要はありません。
糖尿病と歩む毎日の自己管理に役立つヒントが多かったと思います。ひとつでもふたつでもそのヒント
を生かしていただければと思います。

「血糖認識トレーニング(BGAT)のエッセンス」

 

血糖認識トレーニング(BGAT)のコンセプトはご理解いただけたと思います。トレーニング内容に進みます。

血糖値を知る手かがりをキューと言います。
2つのカテゴリーがあります。内部血糖キュー外部血糖キューです。

内部血糖キュー身体で感じる手がかりです。症状といってもいいと思います。
症状には血糖が低いとき感じるものと高いときに感じるものがありますが、このシリーズは低血糖が主題
ですので前者に焦点を合わせます。
内部血糖キューは3つあります。
1)身体症状
コラムVol 26で取り上げた低血糖の自律神経症状のことです。思い出してください。
2)作業能力キュー;
低血糖の中枢神経症状を気付かせる方法です。
低血糖になると脳が栄養不足になりますので作業能力が低下します。これを利用しようとするもの
です。Coxらの‘血糖認識トレーニング’(診断と治療社)から引用します。

「これは自分自身の思考や動作をチェックすることができる、ちょっとした課題やテストのことです。
血糖が低いときはいつもより仕事がなかなかできないことに気付くかもしれません。あなたの作業能力がいつもよりペースが遅いか、
いつもに比べて劣っている
かもしれません」
例えば単純な計算をする、会話についていく、適当な言葉を考えるなどの行為にいつもより時間がかかっていませんか?もし長くかかっていたらそれは血糖が下がっているかもしれません。
従来日本では中枢神経症状は血糖値がかなり低下して初めて生じるという考え方が一般でした。
BGATでは軽い低血糖(例えば血糖56mg/dl)でも作業能力が落ちることが示されています。
このことは中枢神経症状が軽い低血糖の警告症状になることを意味しています。このキューを強調していることがBGATの最大の特徴と思います。
3)気分と感情;
高血糖や低血糖は気分や感情にも影響します。
それを利用するキューですが、その生理的基盤がわかりにくいので今回はこれにとどめます。

「血糖認識トレーニング;BGAT」

 

その時その時の血糖値がわかると思いますか?
わかる(認識できる)はずだと考え、その能力を開発するために考案された教育システムがCoxらの「血糖認識トレーニング」です。BGAT(Blood Glucose Awareness Training)とも呼ばれます。
何も英語持ち出す必要はないのですが、アメリカの先生達がこのすばらしい教育プログラムを開発し、完成されたことに敬意を表したいと思ったからです。

BGATは系統的な教育システムです。その研修を受けたこともない私が紹介することは全容を正しく伝えることができないのではと恐れています。
しかし、BGATには低血糖の理解を深めるためのヒントに満ちています。
BGATは、元来1型糖尿病の患者を対象としたプログラムですが、どのような方にとっても内容を知っていただくことが低血糖の診断と対策に有効であると考えます。ここで取り上げる所以です。

「診断と治療社」からアメリカの患者のためのBGATのテキストの翻訳が出ています。それに基づいて説明していきます。
血糖値を認識する手がかり(血糖値を知る手がかりのことをキューといいます)を教育し、実測値との誤差に基づきフィードバックを行い、認識‘力’を向上させるシステムです。特に低血糖の予防を目指します。様々なキューを利用し、例えば昼食前の血糖値を予測します。
すぐに血糖自己測定をします。予測値の正確さをエラーグリッドというものさしを用いて判定します。

エラーグリッドは、予測値と実測値がどれだけ近かったか・外れていたか?また外れていたときはその程度はどうか?を判定するグラフのようなものです。

予測が許容範囲を逸脱していたときが大切です。予測の誤った理由を考えていきます。それはそのとき利用したキューを見直すことにより行います。
予測値が105mg/dlで実測値が62mg/dlであった場合は低血糖を見逃したことになりますね。そこで胸に手を当ててふりかえります。
朝食の量がいつもより少し少なくなかったか?午前中の‘力仕事’がいつもより多くなかったか?朝食前のインスリン量がいつもより多くなかったか?などふりかえります。
これらの行動と考察を「血糖日記」に記録していきます。
このフィードバックの過程を記録した血糖日記が、 血糖値認識の‘力’を向上させる情報の山になっていきます。

「今すごくおなかが減っているのですが、これって低血糖?」

 

前回低血糖症状について述べました。
前回の表はCoxらの「血糖認識トレーニング」(診断と治療社)からの引用です。
血糖が下がりすぎたとき、症状に気付きそれが低血糖であるとわかること(認知)は考えられているほど簡単ではありません。
それは血糖が実際に下がってから低血糖の認知までに多くの要素が影響するからです。 Coxらはその過程を4段階に分けています。

表にはその段階と、それに影響する要素を示しています。Cox らがDiabetes Careに 1993年に掲載した論文を参考にしています。

第1段階は血糖が下がることによる身体の反応です。拮抗ホルモン(アドレナリン)の分泌と、脳の栄養低下です。
最近の血糖コントロールが良いと、これらの反応の閾値(どこまで下がると反応が惹起されかを示す値)が下がることがわかっています。
つまり、治療がうまくいっている方が低血糖の反応が出にくいのです。
また、24時間以内に低血糖を経験していると前者の反応が起きにくくなります。前の反応でアドレナリンが使われてしまうのです。
低血糖を起こすと次の低血糖に気付きにくくなるのです。やっかいですね。
従来から低血糖に鈍くなる原因として糖尿病神経障害の一つである自律神経障害が強調されてきました。
Coxらのこのモデルによると、拮抗ホルモンの反応のレベルに影響するだけです。多くの要因の一つに過ぎません。

第2段階はそれに対する症状の惹起です。分泌されるアドレナリンの量が多いほど、また脳の栄養不足の程度が大きいほど強い症状が出ます。
そのときの体のいろいろな条件も影響します。例えばお酒を飲んでいると症状が出にくくなります。

第3段階は症状に気付くかどうか(発見)です。まず症状の特徴によります。
額の汗より動悸の方が「あれ?」と思いますよね。ボヤーとしている方が気付きにくいです。
今日は朝食が少なかったので注意している時はわかりやすい。
Coxがよく挙げる例なのですが、忙しく注文をとっているウエイトレスは低血糖の中枢神経症状に気付きや
すい。注文を間違って「あれ?」と思うわけです。

第4段階は症状の正しい解釈です。症状に気付いてそれを低血糖であると正しく判断することです。
前回述べた症状を知っていなければなりません(知識)
空腹感は低血糖と解釈されやすいですが、前の食事からどれだけ時間が経っているかがより関係している
ようです。昼食を食べてからの時間がいつもより経っていると低血糖でなくてもおなかが減りますよね。
低血糖の症状に気付いているのに低血糖と認めないこともあります(否認)
例えばそれは、一生懸命やっている自己管理の失敗(薬、食事と身体活動のバランスを崩した)を意味する
ので失敗を認めたくないと考える場合です。

すべての要因について説明できませんでした。
これらを見ると、血糖が下がって症状がわかるのは当たり前ではなくむしろ僥倖の賜(たまもの)とまで言い
たいぐらいです。
しかし、私たちは血糖を自己のコントロール下におかなくてはなりません。
低血糖の認知に及ぼす要因を理解することはそのための武器を与えくれるものです。

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