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カーボカウント Q&A No.5 続き

ドクターコラム

~カーボカウント Q&A No.5 続き

さてカーボカウント応用編です。カーボカウントをインスリン療法に応用することです。
まず基礎編に従い、正確にカーボカウントが実行できることが必要です。
速効型あるいは超速効型インスリン、つまりボーラスインスリン量はどのようにして決めるのでしょうか?
2つの物差しを利用します。

インスリンカーボ比
1単位のインスリン(超速効型あるいは速効型)で何グラムの炭水化物を‘カバー’出来るかの物差しです。 1単位のインスリンで何グラムの炭水化物で上昇する血糖値を3から4時間後に食前血糖値に下げることが出来るかを示します。
例を挙げましょう。ある1型糖尿病患者さんの食事記録と血糖記録をみてみます。
9月14日夕食の献立で炭水化物を含むものはご飯200g、リンゴ4分の1個でした。カウントすると炭水化物85.4gを食べたことになります。 そして、食前血糖143mg/dl,3時間半後血糖168mg/dlでした。
この方は、夕食前に超速効型インスリンを16単位使用しています。
このように16単位のインスリンで 85.4gの炭水化物により上がった血糖を食前の値まで下げていますので、85.4÷16=5.3でインスリンカーボ比は5になります。
1単位のインスリンで5gの炭水化物を‘カバー’できます。
インスリンカーボ比を知る別の方法としてある経験則があります。500ルールと呼ばれています。
TDD(Total daily dose)は一日に注射しているインスリンの総量をいいます。500をTDDで割り算することで
インスリンカーボ比が計算できます。例えば一日インスリンを総計50単位使っている方の場合は,500÷50=10でインスリンカーボ比は10になります。

インスリン効果値
1単位のインスリン(超速効型あるいは速効型)でどれだけの血糖を下げることが出来るかの物差しです。 これが必要になるのは、食前血糖値が目標値より高い場合です。 インスリンカーボ比で計算される量よりたくさん打たなければなりませんがどれくらい追加すればよいか教えてくれます。
1800ルールという経験則を使います。1800をTDDで割り算します。先の例の場合、1800÷50=36ですので1単位のインスリンで36mg/dl血糖を下げることが出来ます。

これら2つの物差しで決まるインスリン量は食事記録と血糖記録によりいつもフィードバックする必要があります。

 

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