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低血糖と血糖値を知る方法 No.4

ドクターコラム

「血糖認識トレーニング(BGAT)のエッセンス」

 

血糖認識トレーニング(BGAT)のコンセプトはご理解いただけたと思います。トレーニング内容に進みます。

血糖値を知る手かがりをキューと言います。
2つのカテゴリーがあります。内部血糖キュー外部血糖キューです。

内部血糖キュー身体で感じる手がかりです。症状といってもいいと思います。
症状には血糖が低いとき感じるものと高いときに感じるものがありますが、このシリーズは低血糖が主題
ですので前者に焦点を合わせます。
内部血糖キューは3つあります。
1)身体症状
コラムVol 26で取り上げた低血糖の自律神経症状のことです。思い出してください。
2)作業能力キュー;
低血糖の中枢神経症状を気付かせる方法です。
低血糖になると脳が栄養不足になりますので作業能力が低下します。これを利用しようとするもの
です。Coxらの‘血糖認識トレーニング’(診断と治療社)から引用します。

「これは自分自身の思考や動作をチェックすることができる、ちょっとした課題やテストのことです。
血糖が低いときはいつもより仕事がなかなかできないことに気付くかもしれません。あなたの作業能力がいつもよりペースが遅いか、
いつもに比べて劣っている
かもしれません」
例えば単純な計算をする、会話についていく、適当な言葉を考えるなどの行為にいつもより時間がかかっていませんか?もし長くかかっていたらそれは血糖が下がっているかもしれません。
従来日本では中枢神経症状は血糖値がかなり低下して初めて生じるという考え方が一般でした。
BGATでは軽い低血糖(例えば血糖56mg/dl)でも作業能力が落ちることが示されています。
このことは中枢神経症状が軽い低血糖の警告症状になることを意味しています。このキューを強調していることがBGATの最大の特徴と思います。
3)気分と感情;
高血糖や低血糖は気分や感情にも影響します。
それを利用するキューですが、その生理的基盤がわかりにくいので今回はこれにとどめます。

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