コラムCOLUMN

先生、喉仏の下が痛くて熱が下がらないのです。どうしたのでしょうか?No.1

ドクターコラム

亜急性甲状腺炎という甲状腺の病気をご存じでしょうか?
私たち甲状腺の病気を専門に診ているものの間では、‘これは一度診たら次からは、診断に関しては
たちどころにできるようになる。逆に経験がなければ頭をかしげてしまう。’といわれている病気です。

先だって20歳代後半の女性が来院されました。
7月初めより微熱があり、中旬からは38℃代の高熱が出るようになりました。のどの奥が痛い、ものを
飲み込むときにのどが痛むと言われます。それ以外の症状はなく、印象としては元気そうな感じを受け
ました。血液検査で甲状腺ホルモンの数値が高く甲状腺機能亢進症が疑われました。

この方のように亜急性甲状腺炎は次のような特徴を持った病気です。
1)甲状腺に自発痛、圧痛を伴います。甲状腺は喉仏の下にありますがそのあたりが痛む、さわると
  飛び上がるくらい痛いこともあります。
2)炎症所見が認められます。血液検査で白血球の数が増えたり、CRPという数値が高くなったりします。
3)甲状腺ホルモンが増加します。動悸、微熱、体重が減ってくるなどの甲状腺中毒症状がみられる
  場合もあります。
4)慢性甲状腺炎の目印である自己抗体が陰性です。
5)圧痛部に一致して、超音波で低エコー域(正常の甲状腺のところより‘黒く見え’炎症を起こしていることがわかる)認めます。

治療はステロイドが奏功します。早い診断が望まれる所以です。
もしかしたら私も?と思われる方があるかもしれません。

アクセス

アクセスマップ

〒604-8151 京都市中京区蛸薬師通烏丸西入橋弁慶町235

googleマップを見る

吉政医院

ご予約・お問い合わせ

休診日
月曜午後・土曜午後
・日曜・祝日