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「エクササイズとニート」の話の続きです。

エクササイズは運動の強さを示す単位でしたね。
20分歩いたり、15分子供と遊んだ10分階段を上り下りすると、1エクササイズの量の
体を動かしたことになります。
また、エアロビクス10分水泳8分の運動が1エクササイズの運動になります。
健康づくりのために週23エクササイズの活発な(’活発な’というのは3 メッツ以上の強さということです)
身体活動をすることが 提唱されています。23エクササイズのうち4エクササイズは3メッツ以上の活発な
運動で消化しましょう。
またメタボ予防のためには10エクササイズの運動が薦められています。これはかなりの量ですので
徐々に増やしていきましょう。

でも家事などの身体活動も計算に入れていいのはうれしいですね。
エクササイズを使うことによって現在の運動量の評価とその改善点を探ることが出来ます。
主婦Aさんを例に取ってみましょう。

エクササイズとニート

1回30分のエアロビクス(3エクササイズ)を週2回しています(これで6エクササイズ)。
生活活動の内訳は、20分の買い物往復(1回1エクササイズ、週3回)、30分子供と遊ぶ(1回2エクササイズ、週3回)、庭いじり40分(1回2
エクササイズ、週1回)、床そうじ40分(1回2エクササイズ、週2回)です。
1週間の身体活動を合計すると、運動で6エクササイズ、生活活動で15エクササイズですので 21エク
ササイズです。目標まであと2 エクササイズ足りません(現状の評価)
それでAさんは40分歩くことにしました(改善策の提案)

詳しくお知りになりたい方は厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp)から
‘運動づくりのための運動指針2006’がダウンロードできます。
 

ニートの話は、次回のお楽しみに

「エクササイズとニート」の話、今回は「ニート」についてです。

少し小太りの人、少し血圧の高い人や糖尿病の方に運動の効果を説明し運動をお薦めすると
よく次のように言われます。
「先生、私は炊事、掃除や買い物などで一日中体を動かしています。それではだめですか?」
それに答えるのに参考になる考えが今日ご紹介するニートです。
非運動性熱産生 : ニート(NEAT:Non-exercise activity thermogenesis)
意図しない体動のことで、姿勢(座位、立位、臥位など)と体を動かすこと(ぶらぶら歩き)
によるエネルギー消費のこと
立っていたりぶらぶら歩くだけで結構エネルギー消費ができるといううれしい話です。

レビィンというアメリカの研究者が次のようの成績を発表しました。
彼らは太っている人とやせている人の二つのグループに分け、どのような姿勢をとっているか、あるいは
動いているか、さらにそれぞれにどれくらいの時間を使っているかを10日間詳細に測定しました。
それにより太っている人とやせている人のニートによるエネルギー消費の違いを 算出しました。
太っている人は、やせている人に比べて立っている・動いている時間が153分少なく、一方座っている時間が170分多かったという結果が出ました。
その差はニートとして1日352kcalでした。
それが肥満の原因の一つであるといっています。

ここからおいしい話です。
太っている人とやせている人のニートによるエネルギー消費の差は一日352kcalでしたが、太って
いる人がその分だけぶらぶら歩きなどを増やしたとしたら1年間でどれくらいやせられると思いますか?

計算は省きますが、1年間でおよそ15kg減量できます。
ニートを増やすことによりエネルギー消費を増やすことが減量に効果的かわかると思います。

3回に分けて運動療法について話してきましたが、まとめると次のようになるでしょか?
「エクササイズが足りない週はニートで補いましょう」

ドクターコラム VOL.37

ドクターコラム

岩倉だより

一ヶ月の 入院生活をtwitterでツイートしてみました。
患者になり切れないうちに退院したような気持ちです。

<11月4日>
今日、人工股関節置換術の目的で入院しました。卒業後33年目で初めての長期休暇?です。
今はすこし体を持てあましています。

<11月5日>
入院第一夜があけました。当然のことながら晩酌なしで早い夕食。
予想どおり眠れない一夜を過ごしました。真っ暗な天井を見つめているうちに妙な錯角に陥りました。
勤務医時代の当直室で仮眠しているように感じました。いつコールがかかるかなかば意識しながら。
なかなか患者になれない。

杖を突き出したのが今年の一月からである。最初はリズムよく歩けていた。
祇園祭が終わった頃からだんだん左手、左足にかかる負荷が増えていき右大腿が痩せてきた。歩いていても廃用症候群はあるのだ。
最初のリハビリが終わった。こげないと思っていた自転車がこげた。うれしかった。

< 11月6日>
ITリテラシーの低い私ですが徒然なるままにすこしいじってみました。
同じAppでもPC(Windows)とiPadとiPhoneではっきり階層化しているんですね。iPadがあればすべて事足れりと思っていたのですが。iPhone4があればIPadはいらない?

< 11月9日>
お見舞いで貰った夏川草介「神様のカルテ」読みました。われわれの時代は研究vs臨床でしたが、今は高度医療vs’プライマリーケア,なんですね。
明日股関節置換術を受けます。いつ復帰出来るか?

< 11月12日>
術後2日目で車椅子に乗れた。順調のようである。
車椅子生活の初歩。ベッドから車椅子への移動。右降、左上がり。私の場合右足が悪い(患側といいます)ので右足を先におろし、いい方(健側)を軸にして90度回転して座ります。ベッドに上がる場合は逆。
いろいろあります。

<11月13日>
病院食の感想。
質ー味ももちろんー昔に比べはるかに良くなっています。ただ主菜、副菜、お汁にこだわっているのか献立が神経質な感じがします。治療食にも言えることでもっと柔軟なメニューでよいのでは。
今は治療の一環ではなく、入院の楽しみのツールと考えた方がいいように思います。


<11月14日>
短期使うだけの自分ですが、車椅子は完成度の高いツールと思いました。
右折左折はもちろんのことその場での一回転も出来るのですね。ただ片手だけでの停止など片手での操作に向いてないようですが。何か工夫ありますか。

最近始めたiPhoneでとった素人写真をFlickerにアップロードしました。医院の近くで写したものですがどこか分かりますか?Takaakiyhでコンタクトできます。写真の感想ください。
 

岩倉だより

< 11月17日>
術後5日目の月曜日からリハビリが再開になった。
すこし当惑している。フィジカルな意味ではない。医師の場合、畑違いの診療科で治療を受けても共通項があるので、同じ村の中という感じになれる。我々の世代はリハビリを学校で習っていない。当惑の由来はその辺からか。

< 11月18日>
股関節に働く筋肉の復習をした。どの動作にはどの筋が大切かなど。
今の図譜はCGなどを利用しているのか、きれい かつ分かりやすいですね。

< 11月19日>
車椅子のことをもう少し知りたくAmazonを検索しました。
選んだ本は光野有次「進化する車椅子パンテーラ」。知りたいことだけが知りたいだけかいてありました。Amazonで一回でビンゴははじめてです。いつも一回では欲しと思う本に当たりませんよね。ラッキー。

< 11月23日>
リハビリの目標をめぐる攻防。
私は両松葉杖は大丈夫なので、片手の松葉杖にレベルをあげて欲しい。PT;術後の日数からみてもう少し様子をみてから。クリニカルパスはバァリアンスばかり。それが医療の現実。今更ことさらに言うこともないか?

< 11月27日>
術後二週経過。リハビリの達成度評価とつぎの目標設定は誰がするべきか?PT?最終的には主治医だろうが、そこまで手が回らない?オーダーメイドにするにはパスはふさわしくない。患者自身の自己評価をもっと尊重すべきと思う。

< 11月28日>
リハビリは理論的にも技法的にも確立されている面が多いこと、患者側でも早期社会復帰などの動機付けが明確であることなどを考えると、目標の設定や到達度評価などにもっとも患者参加し易いと思う。エンパワーメントがもっと必要なのではないか?

< 12月3日>
理学療法についておしえてください。疾患あるいは手術毎に特異的なメニューがあるのですか。それともそれぞれ機能低下した筋力のトレーニングに帰着するのでしょうか。そうであればジムでやっているような方法などもっと能率的な方法があるようにおもうのですが。

< 12月5日>
30日に無事退院できました。
入院生活で欠かせなかったのがiPadでした。3つのメールアドレスの管理、グーグルでの検索、電子ブックのトライなど期待以上でした。ラッキーだったのはiTunesが映画の配信を始めたことでした。毎日映画三昧。あらためて映画が好きだと感じました。

< 12月6日>
入院生活を楽しみました。 一番は村上春樹「1Q84」を読めたことです。
感想。一人称→「アンダーグランド」→三人称。

ドクターコラム VOL.36

ドクターコラム

サスケや

昨年の春である。起きがけ右の股関節に激痛が走った。
整形外科医から、レントゲンではまず問題ないと言われ数日で治まったのでいつの間にか忘れていた。
梅雨明けになり又同じ痛みが襲った。変形性股関節症の進行期と思いもかけない診断であった。
いままで股関節の病気を知らないので原発性と言うことであった。

1時間かけての満員電車での通勤は出来るだけ控えるように言われ、医院の近くでの仮住まいが
多くなった。
おのずと夜のサスケのインスリン注射は家内の役目になっていった。
糖尿病を患ってから体重の回復しないサスケはまた、以前のように喜んで外出することが少なくなった。 しかし健啖家ぶりは衰えることがなかった。
眠ることの多くなったサスケだが、家内が夕食の準備を始めだすといつのまにやらおきだし台所に突進し、ものをねだり家内の邪魔をした。
二人の食卓の家内の左が定位置で、すき焼きなどの生肉を好んだ。

やがて家内を悩ませることが起きた。
サスケが便秘と下痢を繰り返すようになったのだ。
便秘になれば薬をもらいに走る。また、帰宅をすれば居間といわず台所といわず汚しており、小一時間の掃除に振り回される。


今年もまた医院総出の祇園祭が終わった。今年の海の日は振り替え祭日で月曜日であった。
その日は自宅で迎えた。
サスケは朝から泣くことが多かった。最近通院回数がとみに増えていたが、家内はまた午前中に連れて行ったようであった。
主治医から電話がかかってきたのは、サスケが何時もと違うけいれんをおこした時だった。
いったん電話を切って見守るしかなかった。主治医に看取られるまでに時間はかからなかった。

9月のある日の二人で囲む夕食のことである。献立の1つの‘牛肉のたたき’が二人で食べきれなかった。

私がサスケに、と言いかけるやいなや、どちらともなく‘しゃーない’‘仕方がない’と顔を見合わせた。

ドクターコラム VOL.35

ドクターコラム

「医院ニュースでもお知らせしましたが、人工股関節置換術の目的で入院しています」

医院ニュースでもお知らせしましたが、人工股関節置換術の目的で入院しています。
ご迷惑をおかけします。

院長コラムも正月以来のご無沙汰です。
少しウォーミングアップをしてから書き継いでいきたいと思います。
その意味もかねてTwitterはじめました。 これを使った感想ものせて行きたいと思います

ドクターコラム VOL.34

ドクターコラム

「新年明けましておめでとうございます」

新年明けましておめでとうございます

新年の挨拶が遅れました。
家族の年賀状に添える歌を今年は次の和歌にしました。
「新しき年の初めの初春(はつはる)の今日降る雪のいやしけ吉事(よごと)」
万葉集、巻20・4516 大伴家持
新しい年の初めに立春がかさなった今日降る雪のようにますます重なれ、良いことよ)
NHK 日めくり万葉集の俵万智さんの現代語訳を引用させていただきました。

またその解説によると、普通の元旦と違い、この初春は19年に一度しか巡ってこない歳旦立春(さいたんりっしゅん)(暦日の「元日」と24節気の「立春」とが同じ)で、めでたさも三倍になっています(雪も瑞兆を表す)。

さらに家持がやや左遷気味の任地で正月に詠んだ歌だそうです。
それを踏まえて俵さんは次のように書いておられます。
「いやしけよごと」と口に出してしまう。見て言葉で写す一般的な歌の詠み方ではなく、まず言葉にして事実を引き寄せる、そういう気持ちも多分にあったのではないかと思います。」

この歌を万葉集の選者でもあった家持は4500あまり歌の最後においています。
皆様に今年は良いことが重なることを心からお祈りいたします。

今年の目標の1つはアンチエイジングの診療に取り組むことです。
その診療の難しさは内容の玉石混交にあります。その壁を乗り越える方向性は低カロリー食(calorie restriction)の科学と実践と考えています。
抱負を語ることで‘事実を引き寄せたい’という思いです。

ドクターコラム VOL.33

ドクターコラム

「日本の近代小説を読もう」

今年の祇園祭の通信からコラムを更新せずに3月が経ちました。
こんなに長いお休みは連載を初めてからなかったことです。
ゴールデンウイークから心にかかることが重なりました。 新型インフルエンザというまったく新しい病気に出会ったことがその一つです。5月と比べ比較にならない流行を見せている今ですが、全く新しい病気という認識が必要、と特に小児科の医師は感じています。

7月で開院3周年を迎え、患者さんの診療を振り返ると、近頃、頭をもたげた強迫神経症的な性向のせいで思わぬ時間がとられたりしました。 そして、気がついてみるとこの間一冊の本も読めていませんでした。
そんななか以前に購入し、いつもソファの上に積んでいた、日本の近代小説を読もう水村美苗「日本語が亡びるとき-英語の世紀のなかで」(筑摩書房)をシルバーウイーク(こういう呼び方があったのですね)にふと読み始め読み通すことができました。少し一息つけたという思いがしました。

質の高いバイリンガルの養成の必要性や、国語教育における日本近代小説の購読の提唱など(タイトルもそうですが)で話題になり、多くの書評で取り上げられたので読まれた方もおられると思います。

私はこの本をまず日本近代小説論として読みました。
私たちの世代の明治大正の近代小説に対する考えは中村光夫の「風俗小説論」(新潮文庫)「日本の近代小説」(岩波新書)などから形成されたものです。
いわゆる私小説といわれ、身辺雑記や心境吐露に終始し人生の真実や社会の正義などにかかわることのないと批判されました。もちろんそれは「人生とはなにか」 「真実とは何か」に正面から向きあう欧米の近代小説を小説の模範とした観点からの批判です。
水村によると日本の近代小説はまず「現地語」(日本で使われている言葉)を「国語」に高めた人たちが創造したものです。
明治の人たちは外国語(仏語、独逸語、英語)を驚くほど読み、翻訳し日本語という国語を確立しました。近代小説の作家たちも例外ではありませんでした。
日本の近代小説は何よりも読むに値する創造された「国語」によって書かれたものです。読み継がれるべき小説と高く評価されています。
余談ですが読んで驚いたのですが、明治・大正の作家の実に多くが東京帝国大学で学んだり教壇に立っていたかです(漱石、鴎外はもちろんのこと坪内逍遙、正岡子規、上田敏、斎藤茂吉、志賀直哉、谷崎潤一郎などなど)。

次にこの本を、英語を母語としない国の人間が学問をすることの方法論として読みました。
特に人文科学や社会科学を志すものにとっての宿命といってよい、制約に関する議論です。
仕事が評価されるためには、何よりもまずその領域のトップランナーや若きエースにこぞって読まれなけれ
ばなりません。そこからしか始まりません。
そして、現代は副題にもあるように英語の世紀です。英語が普遍語として世界を席巻しています。
学問をする人間はまず何はおいても英語で書かなければなりません。上で言うバイリンガルは日本語以外に外国語を書ける人でなければなりません。 このことは自然科学(サイエンス)に携わる者は早くから痛感していたにもかかわらず、克服することの難しさにはがゆい思いをしていたはずです。
学問を志す若い人にもっと読まれていい本と思います。

次の連休には谷崎を読もうと思って、昔実家にあった中央公論社発行の青の背表紙の「日本の文学」
シリーズ
を懐かしく思い出しました。10年ほど前実家の売却のあたりほとんど破棄する形で手放したのでなおさらです。今でも手にはいるのかしら。

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